深植えについての考察

2025.10.25

「深植えは植物の成長によくない」とよく言われる

深植えされて枯れたものを伐根してみると、根が地表を目指して根を伸ばすもの、もとの根が腐り、幹から新しい根を出しているものも見かける

実際に目で見ることはできないが、根も呼吸をしているという

木は生き残るために、空気のある場所を求めて根を伸ばす

深植えをしたからといって、すぐに枯れるわけではない

滞水しやすく固い土では、深植えでなくても樹勢が衰える

一方、透水性と通気性の良い築山では、深植えでも数十年、ゆるやかな枝枯れでとどまることもある

木は動けないかわりに、環境に順応する力を持つ

川の下流域など土砂が堆積しやすい場所では、自然に深植えのような状態になることがある

そういった場所では、枝から根を出して更新する樹種が勢力を拡げる

自然界では 適応するものが残り、適応できぬものは静かに枯れて土へ還る

ただ、それだけ


なぜ深植えになるのか

 

主な理由は

「深植えの影響を考慮しないこと」、「見た目の問題」、「技術的な難しさ」この三つではないか

深植えの影響を考慮しないこと

植物は生きものではなく、構造物のように扱われることが多い

公共工事などでは掘削が難しい地盤に無理やり植え、作業写真と数量が揃えば検査は通る

枯れ補償の期間に枯れなければ問題なしという現実

民間工事でも、専門でない業者が深植えの影響にについて知らないまま、ほかの作業のついでに植えることもある

深植えとは関係ないが、屋根の下など雨も当たらない場所に緑化率のためだけに灌水装置もなしに植栽され、茶色くなっている木を見ると心が痛む

見た目の問題

根が地表に出ると 不安になる人がいる

盆栽では根張りを見せ力強さを表すが、庭では「寒そう」「かわいそう」と感じ、土をかけてしまう人もいる

固結した土壌から逃げるように地表近くに伸ばした根に土をかけられるとき

木にとっては真綿で首を絞められるような感覚かもしれない

そんなひとの親切心に対して、木はどう思っているのだろうか

また樹木を傾けて植える際はどこを基準にするかでかなり植え付け深さが変わってしまう

木が好んで移動するわけではなくひとの都合で移動されるため見た目のほうを優先される場合が多い

支柱を嫌う人もいる

支柱設置の見た目や、手間や費用を気にして、数十センチ深く植えることで対応する

それが習慣となり 深植えを常とする現場もある

すぐに症状が出ないからこそ、これでいいと思ってしまう人の心理

技術的な難しさ

根鉢は重く 高さの調整が難しい

軽いといいのだけれど重いと植える高さを調整しにくい

穴が浅いときは、根鉢をそのまま下げるのは難しいが、深めだと木を傾けながら鉢底につきこんでいけば割合簡単に高さを調整しやすい

とはいえ相手は土、水極めの際には土が泥状になる

根鉢の裏まで土が回るように木をゆすりながら「げっぷをさせる」といつの間にか高くなったり、低くなったりする

そんな植穴が沼みたいになった状態で樹木の深さを変えることは至難の業

高さをあげるのは乾いた土があれば水が引いた後、根元にそれをつきこんで上げればいいが下げるのは難しい

根巻きしてあるものは植穴からゆするうちに根鉢が上がってきやすく、根巻きしてないものは下がりやすい

植穴の土も泥状のほうが下がりやすく、粒が大きいほうがあがってきやすいと感じるがどうなのだろうか

また土の状態の変化率も影響する

土はおおよそだが、もともとの質量を1とすると、掘ることで空気の隙間が増え1.2になり、埋め戻しで0.8になる

そこに根鉢分の質量も増えるが、作業で歩き回ることで周囲の地面が締め固められ質量が減っていく

結構微妙なものなのだ

天候による土の状態にも大きく左右される

雨の中だと周囲を汚してしまうし、無理にやるべきものではない

また樹木を傾けて植える際はどこを基準にするかでかなり植え付け深さが変わってしまう

そんなこんなで適正な高さに植え付けることは難しい

 


庭木に対して植木屋に求められること

 

庭木に求められることは、木が元気に大きく育つことより、いつまでも美しく見えること

木が元気にどんどん成長してしまうと限られた環境ではおさまらなくなる

そのため生かさず殺さず、いい塩梅で落ち着いてくれている植栽のほうが重宝される

樹木の形をひとの目で見て美しいと感じる形に整え、大きくならないようにするのが剪定作業

剪定によって、本来、体を維持するのに必要な枝葉を剪定で除去した分、目に見えない地中で同じだけの根が枯れているそうだ

そうやって弱らせないとどんどん大きくなってしまう

剪定しないと植物の生育に適した気候の日本では樹木に空間と光ををどんどん奪われてしまう

 

植木屋は社会と自然の間に立つ調整役

同じ樹木でも日々変化している

その変化に気づいて適切な対処を行うこと

人と木にちょうどいい“落としどころ”を見つけるのが、私たちの仕事なのかもしれない

 

中野の植木屋ウエヨシ

 

“植”木もひとも“喜”ぶ庭づくり

中野の植木屋ウエヨシは樹木医、一級技能士として

ひとつひとつのお庭から

ひとと植物がここちよく共生するまちを創ります


お庭の植木のメンテナンスから、デザイン、植栽、伐採、剪定、害虫駆除、除草など承ります

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