植木屋が考える農薬と産業構造
先日、多摩森林科学園 で見かけた臙脂色の細いチューブ。
枝にぶら下がるその姿は、まるで針金のよう。
以前、皇居周辺でも見かけたことがあり、気になって調べてみました。
それが「スカシバコン」です。
スカシバコンとは?|果樹を守る性フェロモン剤
スカシバコンは、果樹害虫対策に使われる性フェロモン剤です。
特に関東では「スカシバコンL」が主流とされています。
対象となる害虫は、
・コスカシバ
・ヒメコスカシバ
これらはサクラ、ウメ、カキ、キウイなどの果樹を食害する穿孔性害虫です。
フェロモン剤は、雌の放つ匂いを人工的に拡散させ、雄の交尾行動をかく乱します。
結果として次世代の幼虫密度を抑制する、いわば環境調和型の害虫防除技術です。
環境にやさしい害虫対策
スカシバコンの特徴は、
・人体への安全性が高い
・薬剤散布が不要
・樹に吊るすだけで約7か月持続
・天敵を殺さない
という点。
庭木管理や都市緑化の現場では、周囲への配慮が必須です。
住宅地、公園、学校など、
強い殺虫剤を頻繁に散布できない場所でこそ、このような技術は力を発揮します。
製造元は半導体世界首位企業
スカシバコンは、信越化学工業 の登録商標です。
同社は
・塩化ビニル樹脂
・半導体シリコンウエハ
で世界トップクラスのシェアを持つ企業。
AIや半導体需要の高まりとともに、その存在感はますます大きくなっています。
最先端の半導体を作る企業が、一方で果樹害虫対策のフェロモン剤も開発している。
小さなチューブの向こうに、巨大な産業構造が見えてきます。
農薬は利益を出しにくい分野
現場でよく聞く話があります。
「農薬は儲からない」
登録試験には膨大な時間と費用がかかります。
対象作物ごとに適用を取得しなければならず、市場規模が小さい作物では採算が合わないことも多い。
既存農薬の適用拡大が進みにくい背景には、こうした経済的事情もあるのかもしれません。
半導体の利益が、農業を支えているのか
AIやデータセンター需要で伸びる半導体分野。
もし、その利益の一部が
利益を出しにくい農業資材分野へ再投資されているとしたら。
都市の果樹や庭木を守る小さな赤いチューブは、
半導体産業の恩恵を受けているとも言えるのではないでしょうか。
植木屋として思うこと
私たちが扱うのは、サクラやウメ、カキといった身近な木々。
けれどその裏側には、
・化学
・昆虫生態学
・産業構造
・国際市場
が絡み合っています。
枝に吊るされた一本のフェロモン剤は、静かな科学の結晶です。
派手さはありませんが、散布せずに守るという選択肢を与えてくれる存在。
都市の緑を守る技術は、日々進化しています。
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“植”木もひとも“喜”ぶ庭づくり
枝に揺れる赤いチューブ。
その中には、科学と産業と、未来への投資が詰まっています。
庭木や果樹の害虫でお困りの方は、お気軽にご相談ください。